「モーションリグ」とは、シミュレーター筐体を動かす装置のことを指します。
筐体の動かし方には大きく3種類存在します。
1.シートムーバー(操作系・画面が固定でシートだけ動く)
2.自立式(全てシートと連動で動く)
3.ハイブリッド型(全てシートと連動で動き、シートも単独で動く)
私共のSIMDRIVE-Proは自立式(2番)を採用しております。
シートムーバー(1番)および
ハイブリッド型(3番)を採用しなかった理由を下記にご説明いたします。
シートムーバーの課題
手っ取り早くモーションを追加する場合、シートムーバー構造が採用されます。
アクチュエーターが筐体やドライバーの自重を受け持つ必要が無く、
体重のほとんどをシート下のピロボールに支えさせることが可能であり、
工場設備用の安価な汎用アクチュエーターが使用できることが特徴です。
(dyadic様のSCN5またはSCN6シリーズが広く使用されている様です。)
中にはこのアクチュエーターで自立式にトライする例も見受けられますが、
応答性、推進速度まで考慮すると、
シミュレーター用としては大幅にパワー不足となります。
(Motorsport Laboratoryの検証に基づく見解)
シートムーバーの課題は下記3点です。
1.実車と異なる挙動になること
シートムーバーの場合、あるピボットを中心に回転します。
実車の回転中心は必ずしもお尻の真下とは限らないため、
実車とは全く異なる挙動になります。
2.ヒーブ(上下動)が再現できないこと
ヒーブの再現ができず、ひとつ情報が欠落します。
3.操作がぶれること。
実際の車でシートから操作系までの変位は、ごく微小です(10mm以下)。
しかしシートのみを動かす場合、非常におおきなブレが発生します。
このブレを嫌い、多くのプロドライバーはシートムーバーを使用しない、
または機能を停止して利用すると聞きます。
自立式構造のメリット
シートムーバーの課題は許容範囲外と判断し、
SIMDRIVE-Proでは自立式構造を採用いたしました。
自立式構造のメリットはシートムーバーの裏返しです。
1.実車に近い挙動になること
3軸以上の自立式構造では、回転中心を自由に設定できます。
そのため、実車に近い挙動が再現可能です。
2.ヒーブ(上下動)が再現できること
ヒーブの再現が可能で、情報が欠落しません。
3.操作がぶれない。
操作系・画面を一体で加振するため、操作がぶれません。
自立式構造の課題と解消方法
自立式構造は自重を支えつつ上下に動かす為、
大パワーアクチュエーターを必要とし、原価が上がってしまうことが課題です。
SIMDRIVE-Proでは、レーシングシミュレーター用に開発されたアクチュエーターを
採算度外視で採用し、賢い設計でコスト・重量を抑えることでこの課題を解消、
シミュレーターで再現性を高め得るピッチ・ロール・ヒーブの3要素を死守しました。
また、従来のシミュレーターで発生していた高周波騒音を大幅に低減。
店内騒音を低減し、ドライバーの集中力を高めます。
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